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2007年 04月 30日
チョコレートは大好きだ。口のなかで融けていく甘さと香りがたまらなく幸せな気持ちにさせてくれる。
しかし、このチョコレートが発展途上国の子供達の搾取の上に成り立っていることをご存知だろうか。『チョコレートの真実』はCBC(カナダ放送協会)のキャスター、キャロル・オフが途上国の現状を伝える衝撃的なドキュメンタリーだ。 カカオを栽培するプランテーションには、10代、中には10歳にも満たない子供たちが、騙されたり誘拐されたりして連れて来られ、厳しい監視のもとで働かされています。 農園で働かされている子供達はチョコレートの味を知らないという。 背景には、先進国でチョコレートの消費が高まり、企業が原材料であるカカオの生産量増大と価格の引き下げを要求していることがある。市場の知識が浅く、交渉のうまくない弱い立場にある途上国の栽培者に対して、カカオを安く買い叩く。有名企業が直接行っている訳ではないだろうが、仲買人がこうした搾取を行っていることを大企業も見てみぬふりをしているのだ。これはチョコレートだけに限ったことではない。コーヒーや紅茶、はちみつ、砂糖といった嗜好品の類で多く見られるようだ。私は、スターバックスが謳っている「フェア・トレード」の意味を始めて知った。 私達にとって、チョコレートは単なる食べ物ではない、特別なものだ。幸せな気持ちにしてくれたり、子供に笑顔をもたらしたり、愛を伝える手段だったりするチョコレートの裏に、遠い国の子供達の過酷な労働があるなんて。その一方で、一粒何千円もする高級チョコレートが飛ぶように売れているのだ。なんだか間違ってる気がしないだろうか。 私達は搾取する気持ちなんて、これっぽちもない。むしろ、そんなことのない世界を望んでいる。しかし、自分達の知らないところで搾取は行われ、私達の生活の豊かさはそれに支えられている。犯罪は故意か否かが重要視されるが、現実の世界では「知らないことは罪」なのだと思う。 最近は「食の安全」が叫ばれている。この「食の安全」にしても「LOHAS生活」にしても、自分がどうよりよく生きるかに焦点があてられていて、それを支えているものには全く無関心であるように見える。豊かな先進国に生きる私達の無知と傲慢さを表しているようにも感じる。では、現実を「知ってしまった」私達に一体何ができるだろう。正直言って、わからない。でも、やはり「知る」ことから始めないといけないと思う。いつか知恵を合わせて、この痛ましい現実を変えていくために。 マーケティング・ブログのランキング
by msm_w
| 2007-04-30 16:39
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