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2004年 10月 30日
「LOHAS(ローハス)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。LOHAS志向の人は米国では既に成人人口の30%(約6,300万人)を占めるといわれており、今後日本でもマーケットに大きな影響を与えそうなキーワードである。
LOHASとは「ライフスタイルズ・オブ・ヘルス・アンド・サスティナビリティ(Lifestyles of health and sustainability)」の頭文字をとった言葉で、「地球環境保護と人間の健康を最優先し、持続可能な社会の在り方を志向するライフスタイル」を指す。環境や安全、健康を守りながらも我慢しない、おしゃれ、豊かなライフスタイルがLOHASの目指すところだ。 見回してみると、LOHASな商品・サービスは既に日本でも存在する。 例えばSHARPの液晶テレビAQUOS。テレビでありながらそのコミュニケーション・メッセージは映像の美しさではない。環境、省エネ、省スペース、長寿命だ。だいたいこういうコミュニケーションは、押し付けがましく薄っぺらになることが多いのだが、吉永小百合という誠実で普遍性を持ったコミュニケーション・シンボルを使うことで非常にうまくLOHAS的ブランドを築いている。さらにSHARPはコミュニケーションだけでなく、実体も伴っている。AQUOS生産で一躍有名となった亀山工場はSHARPのスーパーグリーンファクトリーというコンセプトに基づく環境技術を結集した工場だそうだ。 亀山工場では、これまで蓄積してきた環境保全技術を集大成して導入するとともに新たな技術も加え、環境負荷の大幅な低減を図ります。 今や亀山工場は一種のブランドである。電器店では「亀山工場産のAQUOSを」と指名買いする人も多いという。SHARPはこうした取り組みと巧みなコミュニケーションでAQUOSという商品ブランドを強固にしただけでなく、その生産工場である亀山工場のブランド化にも成功してしまった。 無印良品もLOHASブランドの一つと言えるだろう。「わけあって安い」をキャッチフレーズに低コストで質の高い商品を提供し続けている。 商品開発の基本は、生活の基本となる本当に必要なものを、本当に必要なかたちでつくること。そのために、素材を見直し、生産行程の手間を省き、包装を簡略にしました。この方針が時代の美意識に合い、シンプルで美しい商品が長く愛されてきました。 両者に共通して言えることは、環境第一に考えた結果何かを犠牲にしたり諦めたりしていないということだ。AQUOSは非常に美しく特徴的なデザインを持ち、画質もきれいだ。最近の無印良品のコスメやトイレタリー関連商品の展開も非常に良い。簡易パッケージで、安く、しかし必要十分な質を備えている。お菓子は種類が豊富でアイディアあふれる楽しい商品が多い。 トレンドを追いかけ、物を消費することに少し疲れてしまった現代人が求めるのは、物質的な豊かさだけでなく心の豊かさも満たしてくれる何かを備えた商品なのかもしれない。LOHAS、今後無視できないキーワードになっていくだろう。 マーケティング・ブログのランキング
by msm_w
| 2004-10-30 22:43
| Biz&Tech
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